こんにちは、たぬきちです!
アレルギー・化学物質過敏症をきっかけに、自然療法や食養生を学ぶようになりました。
その中で、次の言葉がずっと気になっていました。
食べ物を「物質」ではなく「命」として捉える。
頭では「ああ大事なことだな」と思うものの、どうしても心まで落ちてこない・・・。
物質世界にどっぷり浸り過ぎて、命を感じる力が弱まっている自分に気づきました。
何かできることはないかと考えていたところ、ちょうど友人の旦那さんが鶏の解体をした話を聞きました。
興味があることを伝えると、早速セッティングをしてくれて先日ワークショップに参加することができました。
今日は、その体験について書きたいと思います。
鶏の解体
一人一羽、生きたニワトリをしめて、解体しました。
生きたニワトリは温かかったです。
体を押さえ、首を3回ひねって包丁で切り落とします。
緊張して手が震えました。
でも、できるだけ苦しませないように、意を決してやりました。
体と頭が離れても、しばらくジタバタと動くのには驚きました。
その後、羽をむしりやすいように熱湯に3秒つけると独特の臭いがしました。
羽をむしるのが思ったより大変で、時間がかかりました。
スーパーなどで売っている鶏肉は、しめた後に薬剤に浸して羽を溶かしてしまうそうです。
そんなことはまったく知りませんでした。
羽がなくなると、見慣れたチキンになります。
私はここで、ニワトリではなく肉という認識になりました。
あとは、もも肉、むね肉、ささみ肉、せせり肉(首)、手羽先、手羽元・・・と解体してゆきます。
ささみ肉がむね肉の下にあって、翼を動かす筋肉の一部であることを初めて知りました。
今回は衛生面から内臓の持ち帰りはできませんでしたが、一通り確認しました。
当然ですが、ハツ(心臓)はひとつ。
ハツの串焼き1本には何羽分もの心臓が使われているんですよね・・・。
鶏肉の調理
翌日、持ち帰った肉を自宅で調理しました。
今回解体したのは「採卵鶏」と言って、卵をとるためのニワトリ。
ニワトリは生後5ヵ月~1年の間は1日1個の卵を産みます。
でも1年を過ぎると卵を産む頻度が減るので採算が合わず、加工肉(肉団子など)に回されます。
この、1年を過ぎた採卵鶏を今回解体しました。
なぜ加工肉に回されるかというと、肉が硬いから。
通常、食肉用にはブロイラーというアメリカ発祥の品種の若鶏が使われます。
ブロイラーは生育が早く肉付きもよく改良されていて、たった45日で出荷されます。
体は大きいけれど、まだピヨピヨ言っているらしく・・・。
スーパーに並ぶ鶏肉はこの若鶏がほとんどなので、肉が柔らかいのです。
今回は1年を過ぎた採卵鶏ということで、肉が硬そうなので少し長めに塩茹でしていただきました。
鶏肉を食べる
自分でしめた肉を食べるのは初めて。
ドキドキしながら、まずはささみ肉を口に入れました。
「ん、美味しい・・・!」
続いてむね肉。
「適度な歯ごたえがあって、旨味も強い!」
長期飼育したものは、若鶏よりも肉は硬いけれど、旨味は強くなるのだそうです。
もも肉、手羽先、手羽元も脂が乗っていて美味しい。
骨付き肉にむしゃぶりつきながら、ニワトリに感謝しました。
一緒に食べた夫も、今まで食べた鶏肉の中で一番美味しかったと言っていました。
まとめ
大量生産・大量消費のために、食料生産の現場は高度に効率化されています。
鶏に関しては、「食肉用」と「採卵用」とに分けて、食肉用は生育と肉付きのよい品種を短期間で飼育してどんどん出荷。
採卵用はオスはすべて殺処分して、メスは卵を産めなくなったら加工肉に回す。
こういったことを何も知らずに肉や卵を食べ続けてきました。
私は、飢える心配のないこの日常に大変感謝しています。
でも、その裏側にあるとても自然とは言いがたい現状には正直気持ち悪さを感じます。
今すぐに何をどうこうできるかは分かりませんが、まずはこうした現状を知ることから始めたいと思います。
今回は、こうしたことを考えるきっかけとなる、貴重な体験をさせてもらいました。
これからも、食べることや、命について考え続けてゆきたいです。